ガンマ・ダブルプライム 
  Gamma double prime 
  γ''

  Ni-Nb 2元系における Ni3Nb 相の準安定をガンマダブルプライム相と呼んでいます。
  Ni基合金のひとつでは強化相として正方晶のD022構造をしたガンマダブルプライム相
  を析出させて界面整合ひずみにより強化を図っています。しかし、ガンマダブルプライム
  相は準安定相であり、高温もしくは長時間で安定したδ相へと変態します。δ相はNi3Nb
  の組成ですが、結晶構造が斜方晶のD0a構造であり、母相に対して非整合析出します。

  ガンマダブルプライム_γ''_D022_Ni3Nb は
  熱力学的には副格子モデルにより、3元系の場合、(Fe,Nb,Ni)3 ( Fe,Nb,Ni)1 と定義
  できます。この相は自由エネルギー値がδ_Ni3Nbよりも高く準安定となり、Ni-Nb 
  2元系状態図に現れません。結晶構造の軸比(c/a)や磁気の影響などが研究されています。

  文献09Matのパラメータを用いた場合、Ni-Nb 2元系、横軸をNb濃度とした800℃における
  組成・自由エネルギー曲線を計算できます。D022構造の自由エネルギー値は、Al-Ti  
  2元系における Al3Ti_D022 相、Al-Nb 2元系における Al3Nb_D022 相、Ni-V 2元系に
  おける Ni3V_D022 相など、平衡相から推測されています。
Ni-Nb Gibbs free energy Ni-Nb Binary phase Diagram

           Ni-Nb 800℃の組成・自由エネルギー曲線                        Ni-Nb 2元系状態図




  ガンマダブルプライム相を過剰に析出させると、

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